20数年も経っていまさら
木之下先生にお礼を申し上げるのは
いいのか悪いのか等、考えておりました。
どんどん列が短くなっていき
判断ができぬまま
とうとう先生に話しかけてみました。
「20数年前に写真学校でお世話になりました。
お礼が申したくてまいりました。」と言いますと
先生は、「うわあ〜」と言い大笑い。
まさかこんなところで教え子に会うとは
思わなかったんでしょう。
当時の授業、先生のおかげで自分の
写真のスタイルが確立できたこと等をお話ししました。
先生は「うれしいねえ、うれしいねえ。」
と何度もおっしゃいました。
「食べていけてるかい?」と
私に気遣ってもいただきました。
「機会があったらまたあいましょう。」
という先生のことばでお別れいたしました。
帰りの電車のなかで、わたしは
うれしさとなつかしさと
木之下先生が変わってなかったことにびっくりしたのと
充実感とが入り乱れておりました。